第16回研究大会
2023(令和6)年3月9日(土)、東洋大学赤羽台キャンパスを会場として、第16回研究大会を開催いたしました。
令和6年4月より児童福祉法の改正法が施行され、多くの新たな取り組みが導入されます。その背景には、児童虐待、
そして社会的養育に関わる課題の解決をはかるべく、仕組みをさらに充実させていく必要に迫られている社会の厳しい状況があります。
こうした社会情勢もふまえて、第16回研究大会は、「成育環境にかかわらず誰一人取り残すことない社会的養育の在り方に向けて」というテーマを設定して開催いたしました。
基調講演では、「社会的養護の現状及び関係施策について」をテーマとして、こども家庭庁 支援局 家庭福祉課 課長補佐 鈴木 茂氏より、
児童福祉法の改正の具体的内容、その背景にある問題意識についてご提示いただきました。児童福祉法の改正内容、特に里親支援に係る取り組み、児童相談所の機能の強化、
施設で育った子どもの自立支援事業の強化、こども家庭センターやこども家庭ソーシャルワーカー等職の設置などについて丁寧かつ分かりやすくご紹介いただき、
意識の醸成の点でも、実務の点でも非常に多くの学びを得る機会になりました。
分科会では、25題の発表が行われました。各分科会では発表者と参加者相互の間で活発な質疑が行われました。
また、会員同士が交流する姿もみられ、実践や研究の発展につながるような機会ともなったのではないかと思います。
大会開催に際しましては、こども家庭庁様をはじめ、公益財団法人原田積善会様、公益財団法人資生堂こども財団様、社会福祉法人朝日新聞厚生文化事業団様、
社会福祉法人全国社会福祉協議会全国児童養護施設協議会様、社会福祉法人テレビ朝日福祉文化事業団様、社会福祉法人東京都共同募金会様、社会福祉法人東京都社会福祉協議会様、
福祉新聞社様よりご支援をいただきました。心よりお礼申し上げます。
第16回研究大会長
東洋大学教授 南野 奈津子
講演
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「社会的養護の現状及び関係施策について」
講師 鈴木 茂 氏(こども家庭庁支援局家庭福祉課)
分科会研究発表
- 〜第一分科会〜
- テーマ:「社会的養護実践における家庭支援」
1.「里親支援の実際 −里親会の運営について−」
阪野 学(四條畷学園短期大学 教授)
2.「家庭復帰における地域に根ざした関係機関との連携 −子ども家庭支援センターとの連携を中心に−」
西山 弥希(東京家庭学校 家庭支援専門相談員)
林 知然(山梨県立大学 専任講師/東京家庭学校 家庭支援専門相談員)
3.「家族再統合支援に関する報告 −ケアワークの立場から−」
大沢 汐里、湯田 香菜、川嶋 慎也、向井 広香、市川 理紗、諸岡 翔太、中村 隆斗(東京育成園)
4.「児童養護施設が実践する里親養育包括支援を考える −興正フォスタリングセンターの取り組み−」
小野 実佐(社会福祉法人常徳会 興正フォスタリングセンター 統括責任者・心理訪問支援員)
佐藤 慧(里親トレーナー)
- 〜第二分科会〜
- テーマ:「社会的養護実践における生活支援」
1.「子ども中心のライフストーリーワークに対する職員の意識改革とその成果 −若手職員へのアプローチを通して−」
角之上 遥、相川 知美、徳原 彩、国行 桃香、阿部 芳美、大塚 愛子(東京育成園)
2.「社会的養護における集団療育の効果と課題の検討 −Life sportsの実践を通して−」
奈良 年(社会福祉法人常徳会 児童養護施設興正学園 保育士)
塚本 亜沙美、稲生 宥、神田 一希(児童指導員)
3.「入所児童のICT機器の使い方について」
佐藤 寿秀(東京都社会福祉協議会 児童部会 従事者会調査研究部)
4.「生活に入る心理士の実践から得た気づき」
山口 龍太(至誠学園 心理士)
5.「過去を取り戻し、未来に繋げるライフストーリーワーク −A君が自身を大切に、人生を紡いでいけるように−」
林 紫艶(東京家庭学校 保育士)
林 知然(山梨県立大学 専任講師/東京家庭学校 家庭支援専門相談員)
- 〜第三分科会〜
- テーマ:「社会的養護実践における施設運営」
1.「児童養護施設における保育者のワーク・エンゲイジメントに関する一考察」
明柴 聰史(富山短期大学 准教授)
2.「職員の育成、成長機会の提供がもたらす施設運営への効果について」
村上 好(特定非営利活動法人 JAMネットワーク 理事・インストラクター)
3.「母子生活支援施設における社会福祉士のソーシャルワーク実習指導の取り組みと課題」
小幡 美智子(母子生活支援施設リフレここのえ 母子支援員)、横井 義広(同 施設長)
4.「英国における施設マネージメントについて −Children’s Home Manager Interview Questionsをテキストとしての学習会から−」
兎澤 聖(至誠児童福祉研究所 研究員)、橋 利一(同 研究員)
5.「二葉むさしが丘学園の地域公益活動 −“地域とともに”を目指した歩み「オープンカフェ」と「カトチャン食堂」−」
菅原 淳史(二葉むさしが丘学園 施設長)
6.「地域における児童養護施設の役割−東京育成園がA地区に担う役割−」
鹿山 香純、朝倉 綾香、伊藤 正規、鈴木 美里、久島 士郎(東京育成園)
- 〜第四分科会〜
- テーマ:「社会的養護実践における自立支援@」
1.「外国にルーツのある児童養護施設入所児童の自立支援の取り組み −施設職員への聞き取り調査から−」
和田上 貴昭(日本女子大学 准教授)、南野 奈津子(東洋大学 教授)
山田 勝美(山梨県立大学 教授)、谷口 純世(愛知淑徳大学 教授)
2.「児童養護施設退所者に対する居場所創出方法の提案」
井戸垣 陽子(慶応義塾大学大学院SDM研究科 附属SDM研究所 研究員)
3.「自立援助ホーム職員による児童養護施設退所児童(者)の就労支援」
尾形 良子(宮城学院女子大学 教授)
4.「コレクティブ型ハウジングでの身近な相談者の必要性 −児童養護施設卒園者への居住支援のいち関わりから−」
北川 進(日本社会事業大学専門職大学院 講師)
5.「児童相談所保護経験者の情報開示に関する考察」
大村 海太(桜美林大学 助教)
- 〜第五分科会〜
- テーマ:「社会的養護実践における自立支援A」
1.「高等教育機関への進学に際して施設職員が不安に思うこと」
谷向 みつえ(関西福祉科学大学 教員)、荒屋 昌弘(大阪人間科学大学 教員)
畠中 宗一(関西福祉科学大学 教授)、荒木 敏宏(関西福祉科学大学 教授)
相谷 登(関西福祉科学大学 教授)、芦田 拓司(西日本子ども研修センターあかし 研修企画員)
2.「児童養護施設における大学等進学への取り組みと進学後の自立支援について」
荒屋 昌弘(大阪人間科学大学 教員)、谷向 みつえ(関西福祉科学大学 教員)
畠中 宗一(関西福祉科学大学 教授)、荒木 敏宏(関西福祉科学大学 教授)
相谷 登(関西福祉科学大学 教授)、芦田 拓司(西日本子ども研修センターあかし 研修企画員)
3.「児童養護施設等措置児童の措置解除前後の不安とサポート −愛知県における15歳以上の措置児童実態調査からの考察−」
宮地 菜穂子(同朋大学 准教授)
4.「入所児童の自立支援「ことばキャンプ」実践の効果検証 −子ども版QOL尺度を用いて−」
高取 しづか(特定非営利活動法人 JAMネットワーク 代表)
5.「ボーイスカウト活動の児童養護施設への有効性について」
山田 俊一(至誠学園 施設長、BSリーダー)
櫻井 壽(同 BS団委員長)、草野 恵二(同 BS副団委員長)
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