第13回研究大会

引き続き新型コロナウィルスCOVID-19への対応が求められる中、2021(令和3)年2月27日(土)に日本児童養護実践学会第13回研究大会をオンライン形式にて開催、109名の参加申し込みがありました。児童養護施設をはじめとする社会的養護施設においては、職員一人ひとりが普段以上の緊張感を堅持しながら毎日の実践に取り組んでおり、様々な面において過重な負担が続いています。本学会では、コロナ禍が児童養護施設での実践にもたらしている影響を正確に把握し、各施設においてはどのような工夫をしながら取り組んで来たかを整理することが、今後新たな難題が生じた時に活かすためにも大切であると考え、大会テーマを「コロナ禍の経験とこれからの社会的養護実践への継承」としました。これはこれまで培ってきた実践を振り返ると共に、新しく気づいた学びを今後の発展につなげることができればと考えたからであります。
こうした問題意識の中、基調講演は法政大学現代福祉学部教授の小野純平先生に「新型コロナウィルス感染症拡大と子どもの福祉〜虐待とDVを防ぐには〜」というテーマでお話いただきました。愛着の重要性の観点から、愛着形成の過程、次いで愛着障害に見られる心の問題として、傷つきの4つのレベルに即してわかりやすく解説していただいた上で、私たちが子どもへの支援において留意しなければならないことを提示され、実践を進めて行く上で有益な示唆をいただくことができました。
分科会では4つの分科会に15組の報告がなされ、実践報告と分科会毎の熱心な意見交換がなされました。コロナ禍への対応が長引く中においても、高い志のもと、全国の各施設において日々の実践が積み重ねられていることを確認でき、それを共有できたことは大きな成果ではないかと考えております。もうしばらく制約が続く毎日かと思われますが、今後も多くの関係者の参加を得て、本学会が児童養護施設の専門性の向上と発展に繋がる場となるよう努力して参りたいと思います。
大会開催に際しましては厚生労働省をはじめ、公益財団法人原田積善会様、公益財団法人資生堂社会福祉事業財団様、社会福祉法人朝日新聞厚生文化事業団様、社会福祉法人テレビ朝日福祉文化事業団様、社会福祉法人全国社会福祉協議会 全国児童養護施設協議会様、社会福祉法人東京都共同募金会様、社会福祉法人東京都社会福祉協議会様、社会福祉法人東京都社会福祉協議会児童部会様、福祉新聞社様よりご支援をいただきましたことに厚くお礼申し上げます、オンラインでの実施に当たっては、事務局であるシムウェルマン株式会社をセンターとして配信を行いました。接続がうまく行かなかった参加者がいらしたようですが、それ以外特に問題なく進めることがでましたのは、通常以上の協力をいただいたシムウェルマン株式会社様のお陰であることを申し添えさせていただきます。オンラインの利便性から、様々な分野において、オンライン利用が今後拡がっていくものと予想されています。日本児童養護実践学会においても、対面式で行う良さを大切にしながら、研修やセミナーのオンライン開催も検討していければと考えています。なお一層の皆様方のご協力をお願いいたしまして、第13回研究大会の報告とさせていただきます。

講演


「新型コロナウィルス感染症拡大と子どもの福祉 〜虐待とDVを防ぐには〜」

分科会研究発表


〜第一分科会〜
テーマ:「社会的養護実践における生活支援」


〜第二分科会〜
テーマ:「社会的養護実践における里親支援・他機関連携/社会的養護実践における生活支援」


〜第三分科会〜
テーマ:「社会的養護実践における心理治療」


〜第四分科会〜
テーマ:「社会的養護実践における施設運営」


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【資料お申し込み先】
日本児童養護実践学会事務局 宛
E-mail :info@yougojissen.jp
FAX :03−5211−2859



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